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Kuehn Style Part2

クラシックのコンサート、ネットラジオなどの感想と、子供たちの成長日記

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プロコフィエフ「古典交響曲」&ラヴェル「道化師の朝の歌」聴き比べ

恒例の次乗る曲の聴き比べ。次回の私が所属するフライハイト交響楽団の定期では、道化師の朝の歌、古典交響曲、そしてショスタコーヴィチの名曲交響曲第5番を取り上げます。フランスとロシアのつながり、新古典主義、ソビエトを生きた作曲家といった複数のテーマが感じられる良い選曲なのでは、と個人的には思います。久々のオペラシティというのもうれしいですね。

フライハイト交響楽団第32回定期演奏会
東京オペラシティ タケミツメモリアル
2012年7月29日(日)
ラヴェル:道化師の朝の歌
プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
指揮:井﨑 正浩

という訳で聴き比べ開始。

1.プロコフィエフ:交響曲第1番「古典」

(1)ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルグ・フィル 2008.12.5 シャンゼリゼ劇場(ネットラジオ音源)
表現意欲が高く、色々な音が聴こえてくる演奏。なぜだか1楽章が他の演奏に比べ早く、でもしっかりと鳴らされているので聴きごたえ十分。ムラヴィンスキー亡きあと、テミルカーノフとヤンソンスとで後継争いをした同団だが、弦楽器は今なお世界の一流を保っていると思う。一方管楽器は現代レベルでは超一流とは言えない。フルートのブレスが間に合っていない個所などあるが、そんなに鳴らさなくても、という攻めの姿勢が素敵。☆4つ。

上記ライブとは違いますが、テミルカーノフのCD。

(2)エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソビエト国立交響楽団 London Live 1968
一部マニアには非常に有名なロンドンライブ。テミルカーノフに比べると1楽章は落ち着いたテンポで堂々とした表現。中間楽章もしっかりと練習して望んでいるようで、フランスの影響を感じるような遊びもあり、格調高い表現だと思う。ところが4楽章になると君子豹変。たぶん私が知っている中で一番早い演奏。拍手入りでジャスト4分。フルートやオーボエの必死な形相が目に浮かぶような演奏で、爆走したまま突っ切ります。スタッカートとマルカートの表現が素晴らしく統一されており、爆演というよりは快演と呼ぶにふさわしい出来になってます。ちなみにオケは先ほどの今のサンクトペテルブルクよりも全然上手いです。

いずれにしてもこのCDは手に入れて聴いてみることをお勧めします。メインのチャイコフスキーの3番も凄く良いです。このCDが私にチャイコフスキーの1-3番に目覚めさせてくれたといっても過言ではない素晴らしいライブです。☆5つ。

ちなみにスヴぇトラーノフのライブですが、この演奏とともにお勧めしたいのがこちら。メインのシェヘラザードももちろん良いのですが、聴きものはスクリャービンの法悦の歌。終わった後のブラボーがこんなに猛烈な演奏は未だかつて聴いたことがありません。超絶お勧め。古典とは全く関係ないのですが・・・

(3)ゲルギエフ指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 2012年1月14日ムジークフェライン大ホール(ネットラジオ音源)
現代のロシア系指揮者の最高峰の一人、ゲルギエフのライブです。当たり外れが激しいのがゲルギエフですが、この古典は極めて普通の演奏。やはり中間楽章の色付けが素晴らしい。そしてウィーンフィルのヴァイオリンがほんとに美しい!これも4楽章が早いのですが、テクニカルにはこの演奏が一番しっかりしてます。ウィーンフィルの弦に敬意を表しつつも、このスタイルなら前2者のほうが役者が上ということで☆3つ。

ゲルギエフの古典はCDではロンドン交響楽団盤しか出てないですが、評判よさそうです。来日公演も素晴らしかったです。

(4)佐渡裕指揮フランス国立管弦楽団 2009.10.15シャンゼリゼ劇場(ネットラジオ音源)
NHK-FMでも放送されたらしい音源。この曲が1曲目で、次にモーツァルトのピアノ協奏曲24番、休憩挟んでイベールの寄港地、最後にローマの祭という重量プログラムの1曲目ということもあるのだろうけど、ものすごく気楽な雰囲気でオケに好きにやらせている感じ。しかし当然ながら素晴らしい演奏。特に管楽器のコロラトゥーラを思わせる流れるような音楽と、フランスらしいシルクのような音色の弦楽器のレガートが素晴らしい。今までで一番見本になりそうな演奏。でもつまらない演奏ともいえる。評価が難しいけどオケの上手さが際立つ演奏ということで☆4つ。

(5)ミンコフスキ指揮マーラー室内管弦楽団 2008.11.12 ランダウ・ユーゲントシュティル=フェストハレ(ネットラジオ音源)
これまたこの曲が1曲目、続いてパユをソリストに迎えてのイベールのフルート協奏曲、休憩をはさみルーセルの室内オケのための協奏曲、最後にラヴェルのマ・メール・ロワという長大プログラムの前プロ。佐渡よりは前のめりな表現。管楽器の技量の疎が若干目立つ1楽章から、今までの演奏で1番ロマンティックな2楽章へ。たっぷり歌った後は、non troppo allegroという指示について考えさせられる少し早目のガヴォット、フルートソロからのテンポが若干迷い気味か。でデュナーミクたっぷりな4楽章。音量指示が透けて見えるかのよう。1楽章と打って変わって木管は「完璧!!!」の一言。音楽の描き分けにかけてはミンコフスキって面白いですよね。これまた勉強になる演奏ですが、インパクトという点で☆3つ。会場で聴いてたら印象違いそうな感じですが。

(6)ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
iTunesでのレーティングだと☆3のこの演奏。カップリングの5番が物凄いぶっ放し系の豪演なのは覚えているけど古典は全く印象にない。どうやら再生履歴が2回もあるらしい。

改めて聴くとオーケストラとしてのアンサンブルは今までの演奏で間違いなく一番上手いです。が、たとえばファゴットが一人で4分音符刻んでるところとかが真面目過ぎて面白くない。と思えば、2番ホルンがとてつもない勢いでぶっ放していたり(絶対これ採用w)、多分大した練習もせず臨んだのかヴァイオリンの音程が怪しいところがあったり、でも1楽章の最後の決めっぷりがものすごかったり、2楽章がかなり早めなうえに対位法的に描かれているところは同じくカラヤン指揮のストラヴィンスキーのようにすべての楽器が聴こえるようなバランスだったり、3楽章がやたら豪快だったりと、4楽章の無理のないテンポと冒頭の完璧な木管のアンサンブル、少したどたどしいファゴットのアタック、どのオケも怪しくなる4楽章再現部冒頭のフルートのメロディーが余裕しゃくしゃくなところといい、確かに60年代後半のベルリンフィルかくありき、といった演奏。物凄く個性豊かな演奏であることは確か。しかしながら、おしゃれさを微塵も感じないのでやはり☆3つ。

(7)小澤征爾指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
同じくベルリンフィルの演奏。1楽章が遅い!なんとテミルカーノフと2分近くも違う。こんなに短い曲でこんなにテンポが違うともう別な曲に聴こえます。正直好きではありません。ですが、スコアをよく読むとそうすべきであるようにも思う。説得力はある。嫌いだけど。2楽章ものんびり。最速なカラヤンに比べ1分17秒も遅い。ウィーンフィルとこのテンポならよかったんでしょうがベルリンフィルだとちょっとなぁ。しかし提示部繰り返しで弦に被さるフルートが激ウマだ。誰だこれ?3楽章は普通。普通という言葉以外出てこないが、最後のピツィカートのお洒落さは今までの演奏で随一!4楽章はまるで機械のよう。1989年の録音ですから木管が結構カラヤン時代から入れ替わってますね。しかし、この演奏は本当にプロコフィエフの古典なのだろうか?古典が中性脂肪過多でデブッチョになりかけているような感じがする。でも、カラヤンほどの強い個性がないのでこれも見本演奏になるでしょう。☆3つ。

2.ラヴェル:道化師の朝の歌

(1)ヒュー・ウルフ指揮フィンランド放送交響楽団 2011年3月2日ヘルシンキフィンランディア・ホール(ネットラジオ音源)
カラオケするには非常にありがたいテンポの演奏。拍手込みで8分くらい。といっても、ダレた演奏ではない。音符が発音がパキッとしており、また切り方もスパッとしており、オケで奏法が揃っており、まずはこの演奏を目指そうと思わせる演奏。ラストでSubitoでテンポが上がりかなり華々しく終わる。良い演奏だと思うのですが、今回は他の演奏が強力すぎるので☆3つ。

(2)シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団
私にはぎりぎりのテンポの演奏。いや、まあ、多分入手できる演奏で最高峰の演奏ではなかろうか。ハッチンスは変態だし、トランペットとホルンもべらぼうに上手いし、木管の明るい音色が実にこの曲にあってる。物凄くオケをシゴイてるデュトワの姿が浮かびます。中間部の「どでどん、どでどでどん」をここまで完璧にやってくれると楽だな。しかも全く雰囲気を損ねないという絶妙なバランスと音色で。ティンパニも神だし、最後の金管の音色もこれ以上ないというくらい最高だし。やっぱ凄い。

しかし昔は8000円くらいしたデュトワの歴史的名盤と思われるラヴェル管弦楽曲全集が今や2300円弱とは・・・しかもちゃんとトラック切られてるんだろうな~。昔はなんとダフニスとクロエが1トラックとかでしたから。☆5つ。

(3)アンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団
デュトワに比べ精度は劣るが、なんというか、音の残し方というか子音の感じや、口の中の容積で作る音色や表情とかが天才的。バソンっていいな。中間部の表現の攻めっぷりも面白い。ハープの適切ないい加減さも素晴らしい。なんで無くしてしまったのだろう、この個性的な楽団を。フランスってバカなことを真面目な顔してやる国だと思いますが、本当に悔やまれます。ちなみにこのテンポだと今のところ私吹けません。☆4つ。

(4)ロリン・マゼール指揮フランス国立管弦楽団
これまた私向けのテンポの演奏。遅いです。非常にち密な表現の演奏で、特に中間部はかなり楽譜に正確にやってます。正確にやる事で非常に怪しい雰囲気に仕上がってます。世間の評判は悪そうですが、楽器をやらない人にはこの演奏の凄さはわからないと思います。確かに雰囲気で作ってしまう演奏からすると正直変な演奏だと思いますし、再現部など間延びして聴こえる個所もなくはないですが、私は今のところこの演奏が一番好きです。☆4つ。

(5)ピエール・ブーレーズ指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
精密機械本家な組み合わせ。多分一番早い演奏で(下のブランコ聴く前に書きました)、合わせて吹くのは全然無理っす。完璧にやるとラヴェルは素晴らしい音楽になる、ってことですね。今のところ完全に観賞用ですが間違いなく聴く価値あり。デュトワ&モントリオールよりも完璧度は高いですが、あとは音色とか歌い方の好みの問題か。私はモントリオールのほうがティンパニと木管の音色が好きです。ラストのトロンボーンはこっちが完璧。☆5つ。

(6)ブランコ指揮シャンゼリゼ劇場管弦楽団
このCDは世界一遅いボレロということで一回取り上げました。

http://sira2.blog.fc2.com/blog-entry-445.html

正直道化師の朝の歌は印象に残ってなかったのですが、シャンゼリゼ劇場管弦楽団というのはどういうオケなんでしょうか?ボレロは世界一遅いのに、道化師の朝は我が家の演奏で一番早いじゃないですか!まさに名人の揃った演奏で、特にソロの名人芸っぷりには泣きそうになります。ちなみにホルンなんかまるで音楽院管のようです。って上記エントリにホルンはテヴェって書いてるし。同一人物ですね。とはいえ、このテンポ、絶対無理!!I氏がこのテンポをとらないことを祈ろう。。。パリ音楽院より上にする人がいてもおかしくない演奏ですがモノラルなのが弱点。☆4つ。

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